鍼灸とは 

鍼灸は針と灸を合わせての総称です。施術操作で、経絡、ツボの伝導作用に通して、全身疾患を治療していく一種“内病外治”の医療技術です。鍼灸療法二千年前から使用されてきた、中国最古の医学書といわれる「黄帝内経」に「藏寒生 満病,其治宜灸焫」と記載されていたものが、お灸の治療を指しています。日本では約1500年の歴史があり、これまでにさまざまな病気の治療や予防に役立ってきました。

鍼灸治療作用

鍼灸には以下の三大治療作用があると言われている
1 ①疏通経絡 ②調和陰陽 ③扶正袪邪
人体には361個正経ツボがあり、鍼灸の治療目標は苦痛を緩和し、本来の回復力を引き出すことにあります。それには体表の観察がとても大切で、病気の反応がどのようなところに現れているのかを探り、その反応をもとに、症状の変化を観察、治療を行なっていくというものです。
治療対象となるのは痛みや筋肉のコリだけでなく、血液循環を良くし、自律神経へ働きかけて、さまざまな症状を取り除くことに役立ちます。また、心身のリラクゼーション効果や健康を維持し、病気を予防する効果も期待できます。

WHOの鍼灸の適応疾患

近年、西洋医学のみでは完治が難しい疾患について代替医療、補完・相補医療 という言葉を使って世界中の伝統的な医療を再評価する試みがなされてきました。 

WHO(世界保健機関)が鍼灸治療の適応症リストを発表し、その後も更新・修 整が行われています。その一部を紹介します。

○ 神経系 

神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・ 不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー等 

○ 運動器系 

関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、 むちうち、捻挫)等 

○ 循環器系 

心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ等 

○ 呼吸器系 

気管支炎・気管支喘息・風邪および予防・鼻炎等 

○ 消化器系 

胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘) 
胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾等 

○ 内分泌系 

バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気等 

○ 婦人科系 

不妊症・更年期障害・生理痛・月経不順・冷え症・乳腺炎・乳汁分泌不全等 ○耳鼻咽喉科系 
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・蓄膿症・咽喉頭炎・扁桃腺炎等 ○眼科系 
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい等 

○ 小児科系 

小児神経症(夜泣き、かんむし)、消化不良、偏食、食欲不振、不眠 小
児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善等。 

美容鍼灸

美容鍼灸とは、治療を目的として行われてきた従来の鍼灸に対して、美容、すな わち、人の容姿をより美しくすることを主目的として、顔、体形、肌などを美しく整 えることに特化した鍼灸です。 

美容鍼灸は迎、随、補、瀉などの手技で経絡の気を調整し、人体の新陳代謝を 促進し、肌の血液循環を改善し、皮膚に鍼を刺すことで、新しいコラーゲンの産 生を誘発させ、肌への滋養の効果を果たします。 
皮膚や血管などに含まれるコラーゲンには、皮膚のハリ、弾力、保湿性を保持 する働きがありますが、加齢に伴って減少し、コラーゲンを新しく作り出す力も衰 えていきます。そして、コラーゲンが減少すると、しわやたるみの原因となりま す。一方、血液に含まれる血小板には、コラーゲンの生成、毛細血管の新生、細 胞の成長促進や再生などの作用を持つ、成長因子と呼ばれる物質が含まれて います。そのため、鍼灸で使われる針によって、皮膚に多数の刺激を与えること で、創傷治癒の働きによって成長因子が放出され、コラーゲンを増殖させ、皮膚 を若返えらせて、しわやたるみなどの改善を期待することができます。 

施術範囲 

  

ニキビ アトピー性皮膚炎 シミ
肝斑 クマ たるみ 
美白 シワ 乾燥肌・敏感肌

中医学の両輪

漢方と鍼灸の二つとも中医学基礎理論に基づいた治療方法です。中医学では漢方と鍼灸は両輪と考え、実際の併用の過程の中、「同効相須」、「異効互補」、「反効制約」の三種の関係性が存在するのです。この関係性を大切し、漢方と鍼灸のそれぞれの良さを最大限に発揮し、そしてこの2つを組み合わせることで中医学の本来の力が発揮されます。
当院は「鍼薬併用」を重視致します。お客様のお悩みや体質によって最善の方法をご提案するためのこだわりです。
近年、セルフケアでも注目を浴びている鍼灸の「お灸」は未病予防などへの効果で注目されるようになってきました。当院ではお灸を使ってのアプローチを活用していく予定です。